Le rat mouillé

加藤美南ちゃん(NGT48)と新潟についての愛をまき散らすブログ(予定)。

『みなのえ公演』に見える自負と度胸〜NGT48劇場2020-11-1昼

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てなわけで







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県外民OKになったぞーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!


待たせたな新潟!!!!!!



「みなのえ公演」は歴史を知ることで味わい深くなる


「みなのえ公演」はもともと、過去2回にわたってSHOWROOMで開催されてきた公演だ。今回は第3回目、という位置づけになる。

つまり、「セトリを組む」「ステージを完成させる」という面においては積み重ねてきたコンビ。

3回目にしてチャレンジングなセトリを組んできており、大変興味深いステージになっているので感想を書き連ねたい。


まあ過去2回ともタイミングが合わなくて観てないですけど



セットリスト

〜〜〜〜〜〜〜アイドルパート

〜〜〜〜〜〜〜おふさげパート

  • 誰のことを一番愛してる?
  • Make noise
  • Must be now
  • 絶望の後で

〜〜〜〜〜〜〜ダンスパート



便宜上分けて表記しているが、曲の流れは48G公演にしては比較的、いやとてもスムーズだ。

48Gの公演における曲振りや場面転換はどうしても小学生の学芸会*1のようになりがちだが、そうしたシーンはかなり少ない。(あるにはあるけど及第点じゃね??)(どこまでが意図的なものなのか知らんけど)


悪しき伝統は減らしつつ、アイドルの楽しさを味わうことのできる序盤からちょっとしたおふざけパートを挟み、公演の佳境へ進んでいくセットリストはまさに王道、正統派。
SHOWROOMから劇場にステージを移した「最初の公演」に相応しいスタンダードであると言えるだろう。


しかしそこはみなのえ。王道をなぞるだけのステージではもちろん無い。

特筆すべきはダンスコーナー〜『絶望の後で』〜『蒸発した水分』のフルスロットルパートだ。

ダンスパート
  • 誰のことを一番愛してる?
  • Make noise
  • Must be now
  • 絶望の後で


このパートは歌わず、マイクも持たず。2人ともがダンスのみに集中し、髪を振り乱して踊り狂う。


ダンサブルなナンバーで申し訳程度に口だけを動かす推しを見てそのあからさまな口パクにはなんとか目を瞑ってダンスを観るのに集中した経験のあるオタクは多いと思う(偏見)が、

そんなオタクの健気な気遣いを不要とし、ダンスだけに集中させてくれるみなのえのお心遣い(?)に、この場を借りて感謝申し上げたい。


聞くところによると、48G支店でも有数のダンスナンバーで構成されているようだ(Make noise〜Must be now)。

クラシック音楽でも何にでも言えることだが、ある分野において定評のある曲やあまりにも名の知れた名曲というものは、観る側(聴く側)の目が肥えているため当然その評価は厳しくなる。

知ってか知らずか、そこに敢えて飛び込む心意気。しかも間髪入れず、連続で。


う〜〜〜ん、チャレンジング。



そういえば『誰のことを一番愛してる?』って、萌香ぴがヤンデレを煮詰めたような表情で踊ってた曲だよね?なんだっけあれ


『絶望の後で』〜『蒸発した水分』という"文脈"

散々踊り尽くし精根尽き果てた末に後に待っている、
『絶望の後で』〜『蒸発した水分』という激アツ展開。

なんと言ってもこの2曲が、この公演における山場だ。
このセトリの"エモさ"には、点では捉えられない、多面的な魅力が内包されている。


ここでは3つのポイントに分けてその魅力を紐解いていきたい。


1.楽曲のメッセージ性

『絶望の後で』の解釈は聴く人によって乖離があるため割愛。

『蒸発した水分』は優しい歌詞だ。
「前向きに行こうぜ」という曲は掃いて捨てるほどあるが、この曲のように「自然と前向きになれるまで歩幅を合わせて寄り添ってくれる」楽曲はそう多くはないのではないか。



絶望の淵から空を見上げ、目から溢れた水分は蒸発していく。そんな儚くて愛おしい希望を感じられる、かけがえのない時間であった。



加えて、本人たちの境遇と照らし合わせるとさらに込み上げるものがある。

本当に、2人はこれまで"いろいろあった"。

2人の経験を『絶望の後で』〜『蒸発した水分』に重ね合わせて想像してしまうともう涙を禁じ得ない。



2.技術面
  • ダンスコーナー ←めちゃ難しいやつ
  • 絶望の後で ←体力限界突破
  • 蒸発した水分(歌) ←激しいダンスが連続した後で息上がってる状況なうえに技術的にめちゃ難しいやつ


補足で説明すると、『絶望の後で』までがマイク無しのダンスパート。『蒸発した水分』から生歌パートに入る。


ひとしきり踊り狂ったあとで『蒸発した水分』を持ってくるこの構成が正気の沙汰ではないことは、NGTオタならご理解いただけることだろう。

何を隠そう『蒸発した水分』は、ずば抜けた歌スキルに定評のある柏木由紀をもってしても「難しい」と言わしめるほどの難曲だ。


ダンスナンバーを踊ったあとで、MCも挟まずにイントロが流れ始めたときの武者震いたるや。



『絶望の後で』に関して言えば、CDの選抜メンと比べられてやんや言われるリスクは当然頭に浮かんだはずだ。そんなの織り込み済みで、リスクを物ともせず入れてきた度胸。思わず心の中で拳を突き上げた。


いや、多少の躊躇はあったのかもしれない。それでも、ダンスナンバーをしこたま踊り狂った後に絶望の後でをぶち込んでくるその自負と度胸(と少しの勇気)に私は何度だって拳を突き上げたい。


持てる四肢を動かし尽くし、精も根も尽き果てたその先の、一振り一振りに命の輝きがほとばしるようであった。


3.「みなのえ」として発されるメッセージ


『絶望の後で』は最新シングル『シャーベットピンク』に収録されている、いわゆるTDC選抜の楽曲だ。

加藤美南山田野絵両名とも、TDC選抜には選ばれていない。*2


このブログは「誰一人傷つけない」をモットーにしているため選抜に関する言及は避けるが、

言うに言えないもやもやした霧を、2人はパフォーマンスひとつで見事に晴らした。



※個人の感想です。



決して言葉にすることなくパフォーマンスで語る気高さと品の良さが愛おしいので私もこれ以上の言語化は控えるが、

みなのえ公演未視聴の方もぜひこのストーリーを読み取って欲しい。

アイドルとしてこれ以上のアンサーがあろうか。いや、ない。


まとめ
  • 楽曲のメッセージ性
  • 技術面
  • 「みなのえ」として発されるメッセージ


この3つの"文脈"を理解した瞬間、今回のみなのえ公演がいかに凄いものかを知ることになるだろう。

単なる「コロナで通常公演ができない間の埋め合わせ公演」などではない。

エンタメとして優れた演目なのだ。



そして……
全編にわたって演目の持つエモさの話に終始してしまったが、優れたパフォーマンス力ももちろん見どころの一つである。(アクロバットもあるよ!)


2人の歌声は特に、歌唱王決定戦への挑戦を経てより魅力を増している。


これからも「みなのえ」の進化から目が離せない。




※DMMで既に泣きながら視聴していたのに劇場で生で観たらさらに泣けたからこれから劇場入るオタクは気をつけなはれや!


番外編・Go to 新潟




最高でした。


以上です。

*1:正直、「次の曲、どうぞ〜〜〜!!」のような曲振り文化は滅んで欲しいと思っている。メンバーに非はない。悪しき伝統のせいだ。と思う

*2:でも歌で菅井ちゃんのA評価とったのすごない??!!?!かとみなダイヤモンドなどと散々揶揄された美南ちゃんがよ?!?!